
来店促進のKPI・ROI設計|効果測定の進め方
作成日:2026/6/29 07:27 更新日:2026/6/29 07:26

店舗・施設・複数拠点の担当者向けに、来店促進 KPIの設計と効果測定の進め方を解説します。来店促進には、クーポン配布、会員プログラム、イベント開催など、さまざまな手段があります。本記事では、KPIの決め方、ROI(投資対効果)の見積もり、データの取り方、改善サイクルまでを、手段やツールに依存しない形で整理します。
施策の目的・特典設計の全体像は「来店ポイント施策の設計方法|リピーター促進のポイント」をご覧ください。回遊型施策の企画段階でのKPI整理は「スタンプラリー企画の作り方|デジタル化で成功する5つのポイント」も参考になります。
来店促進とは、来店・拠点利用・施設内回遊などの行動を増やし、リピーター化や売上・利用量の向上につなげる取り組みの総称です。クーポン、ポイント、スタンプカード、イベントなど、組み合わせて運用するケースも多く見られます。
よくある目的 | 具体例 |
|---|---|
リピーター増 | 再来店の習慣化、休眠顧客の呼び戻し |
新規来店 | 初回来店特典、紹介キャンペーン |
客単価・滞在の延伸 | 関連商品送客、館内回遊 |
利用量・稼働率の向上 | オフピーク来店、複数拠点の利用促進 |
顧客理解 | 来店頻度・属性データの蓄積 |
来店促進 KPIとは、こうした取り組みが目的どおり機能しているかを測る指標です。どの手段を使うかにかかわらず、「何をもって成功とするか」を数値で定義し、施策の前後で比較するのが効果測定の基本です。
来店促進でよく使われる手段を、目的とKPIの観点から整理しました。
手段 | 概要 | 向いているケース | KPI設計の着眼点 |
|---|---|---|---|
クーポン・割引 | 来店・購入時に値引き | 短期集客、新規獲得 | 利用率、増分売上、粗利 |
ポイント・会員プログラム | 利用に応じてポイント蓄積 | 継続利用、複数拠点 | ポイント利用率、再来率、LTV |
スタンプカード | 来店ごとに印・スタンプ、一定数で特典 | 単店のリピーター促進 | 再来率、完走率、引き換え率 |
スタンプラリー | 複数スポットを巡って特典 | 回遊・期間限定イベント | 参加率、完走率、スポット別来場 |
会員ランク・ステータス | 利用実績に応じた特典格差 | ロイヤルティ重視の業態 | ランクアップ率、上位会員の維持率 |
イベント・キャンペーン | 期間限定の来店動機づけ | 話題作り、季節需要 | 来場数、参加率、キャンペーン売上 |
リマインド・CRM | メール・LINE等での再来促進 | 休眠顧客の呼び戻し | 開封率、再来転換率 |
表の「KPI設計の着眼点」は、あとで詳しく述べる指標選定のたたき台です。手段ごとに見る数字は異なりますが、設計の進め方自体は共通です。
来店促進 KPIを決めるときの、4つの基本原則です。
「月2回来店のリピーターを増やす」「新規来店者の2回目来店を増やす」など、達成したい状態を言葉にし、そこから来店促進 KPIを選びます。
ビジネス目的 | 主な来店促進 KPI例 |
|---|---|
リピーター増 | 再来率、月間来店回数、リピート顧客数 |
新規獲得 | 新規来店数、初回→2回目転換率 |
売上増 | 施策参加者の客単価、増分売上 |
回遊・送客 | エリア別来場数、テナント別送客 |
利用量拡大 | 拠点別利用回数、稼働率 |
指標が多すぎると効果測定の運用が続きません。主目的に直結する来店促進 KPIを2〜3つに絞り、それ以外は参考値として月次で確認する程度にします。
施策開始前の来店数・再来率・売上を記録し、ROIを判断する期間(短期1〜3ヶ月、通年3〜6ヶ月など)を決めます。比較する起点がないと、改善の効果が見えにくくなります。
特典原価に加え、制作費、告知費、記録・集計の工数、システム費(使う場合)をROIのコスト側に含めます。手作業で運用する場合も、台帳管理や引き換え対応の時間はコストです。
来店促進施策の効果測定でよく使う指標です。手段によって取得しやすさは変わりますが、指標の意味と用途は共通です。
指標 | 意味 | 来店促進での活用例 |
|---|---|---|
来店数・来場数 | 期間中の来店・来場の総数 | 施策全体の集客効果 |
参加人数 | 施策に登録・参加した人数 | 告知効果、初回ハードルの評価 |
再来率・リピート率 | 2回目以降来店した人の割合 | リピーター促進の核心指標 |
新規→再来転換率 | 初回来店者のうち2回目来店した割合 | 新規獲得施策の質の評価 |
指標 | 意味 | 効果測定での活用例 |
|---|---|---|
特典・クーポン利用率 | 配布・付与に対する利用の割合 | 特典設計の妥当性 |
1人あたり特典原価 | 景品・割引の平均コスト | ROI計算の入力値 |
参加あたりコスト(CPA) | 施策費用÷新規参加者数 | 獲得効率の比較 |
指標 | 意味 | 来店促進での活用例 |
|---|---|---|
客単価 | 1来店あたりの購入・利用金額 | クーポン・送客施策の効果 |
滞在時間 | 来店・来場の平均時間 | 回遊・体験施策の評価 |
スポット別来場数 | エリア・テナントごとの来場 | 回遊型施策の導線改善 |
完走率 | 目標行動を完了した割合 | 期間限定・回遊型施策の成功指標 |
来店促進 KPIとあわせて、経営判断用にROI(投資対効果)を見積もります。
ROI(%)=(施策による増分利益 − 施策コスト)÷ 施策コスト × 100来店促進施策では「増分利益」を次のように分解して見積もることが多いです。
増分来店数 × 客単価 × 粗利率 = 売上増分の目安
リピーター化によるLTV(顧客生涯価値)向上は中長期で評価
コスト項目 | 内容の例 |
|---|---|
制作・告知 | 券・POP、チラシ、SNS広告、画面制作 |
特典原価 | 景品、割引、ノベルティ、電子ギフト |
記録・集計 | 台帳管理、データ確認、レポート作成の工数 |
システム費 | 月額・初期費用(CRM、来店記録ツール等を使う場合) |
現場対応 | 引き換え、問い合わせ、設置物の管理 |
効果項目 | 測定のヒント |
|---|---|
来店数・売上増 | 施策前後比較、参加群と非参加群の比較 |
リピート率向上 | 来店促進 KPIの再来率をベースラインと比較 |
新規顧客の定着 | 初回→2回目転換率の変化 |
データ・知見 | 次回施策設計への活用(定性効果として記録) |
ROIは初月から数字が出にくい場合があります。短期KPI(参加率・来店数)と中期KPI(再来率・LTV)を分け、3〜6ヶ月の効果測定期間を設けると判断しやすくなります。
来店促進 KPIの効果測定では、数値をどう集めるかも設計の一部です。手作業で記録する方法と、システムで自動集計する方法は、規模や運用体制に応じて使い分けられます。
観点 | 手作業記録 | 自動集計 |
|---|---|---|
概要 | 台帳、POS、レジデータ、スプレッドシートで集計 | CRM、会員システム、デジタル施策の管理画面で取得 |
向いているケース | 小規模店舗、短期キャンペーン、既存POSで足りる場合 | 複数拠点、参加数が多い、スポット別データが必要な場合 |
メリット | 初期費用を抑えやすい、既存運用に載せやすい | 集計工数を減らしやすい、細かい分析がしやすい |
留意点 | 運用の継続と入力ミス、集計頻度の上限 | 導入・運用コスト、現場への説明と問い合わせ対応 |
データソースの例 | 取得できる情報 | |
POS・会計データ | 売上、来店に紐づく購買 | |
手作業集計・台帳 | 来店数、引き換え数、参加登録 | |
会員システム・CRM | 顧客単位の再来、ポイント利用 | |
デジタル施策の管理画面 | 参加数、取得数、拠点別・スポット別の行動データ | |
アンケート・インタビュー | 満足度、定性フィードバック |
どちらの方法も、来店促進の効果測定として有効です。重要なのは、選んだ方法で継続的にデータを取り、来店促進 KPIとROIの判断に使える状態をつくることです。
来店促進 KPIを実務で回すためのフローです。

【画像: body-01-measurement-steps.png — 効果測定5ステップ(ベースライン→KPI→データ取得→レポート→PDCA)】
施策開始前に、比較対象となる数値を残します。
月間来店数・売上(可能な範囲で)
既存のリピート率・再来率の目安
過去キャンペーンの実績(あれば)
目的別の設定例です。
目的 | KPI① | KPI② | KPI③(任意) |
|---|---|---|---|
リピーター増 | 再来率 | 月間来店回数 | 特典引き換え率 |
新規獲得 | 新規来店数 | 初回→2回目転換率 | クーポン利用率 |
館内回遊 | 参加率 | 完走率 | スポット別来場数 |
拠点利用促進 | 拠点別利用回数 | 休眠会員の再来 | ポイント利用率 |
前章「データの取り方」で整理した手作業記録と自動集計のどちらを使うか(または併用するか)を決めます。レポート頻度に合わせて、現場で続けられる運用にします。
週次:来店数・参加数の速報(キャンペーン期間中)
月次:来店促進 KPIの本番効果測定、ROIの中間試算
四半期:施策見直し、特典・告知の改善判断
レポートの見る人(現場・マーケ・経営)に合わせて、来店促進 KPIの粒度を調整します。
Plan — 目的・来店促進 KPI・手段とデータ取得の設計
Do — 施策実行・データ取得
Check — KPI実績とROIを確認
Act — 特典・告知・手段・集計方法の見直し
施策設計の詳細は「来店ポイント施策の設計方法」を参照してください。
手段によって、重点を置く指標や取得しやすいデータが異なります。
主KPI:利用率、増分売上、新規来店数
ROIの注意:割引率が高すぎると粗利を圧迫。利用率と客単価のバランスを見る
主KPI:ポイント利用率、再来率、会員あたり利用回数
効果測定:会員IDベースで再来を追跡しやすい。休眠会員の呼び戻し率も有効
主KPI:再来率、完走率(特典到達率)、引き換え率
効果測定:記録を手作業で行うかシステムで行うかで運用負荷が変わる。「何回来店で特典か」の設計がROIに直結
主KPI:参加率、完走率、スポット別来場数
効果測定:開催期間中の週次確認が有効。企画段階でのKPI設計は「スタンプラリー企画の作り方」を参照
主KPI:来場数、参加率、キャンペーン期間の売上
ROI:短期集中のため、ベースラインとの差分を明確に
業態 | 重視する来店促進 KPI | よく使われる手段の例 |
|---|---|---|
飲食店・カフェ | 再来率、月間来店回数 | クーポン、スタンプカード、ポイント |
小売・物販 | 客単価、リピート購入率 | ポイント、会員ランク |
商業施設・モール | 来館数、テナント別送客、回遊 | スタンプラリー、イベント |
サテライトオフィス | 拠点別利用回数、休眠会員の再来 | ポイント、利用促進プログラム |
自治体・観光 | 参加率、スポット別回遊、滞在 | 周遊クーポン、スタンプラリー |
業態別の設計例は「飲食店・カフェのデジタルスタンプカード導入」「商業施設のスタンプラリーをデジタル化する方法」も参考になります。
指標は2〜3つに絞り、それ以外は参考値にします。
施策前の数値がない場合、過去キャンペーン実績や同業参考値を代替にします。
会員ID・レシート番号・期間限定クーポンなどで紐づけます。完全な一体計測が難しい場合は、再来率を主来店促進 KPIに据える効果測定設計も有効です。
手作業・自動集計のどちらを選んでも、現場で無理のない頻度と手順にすることが重要です。レポート目的に合わせて、集計の粒度を調整します。
評価期間を3〜6ヶ月に設定し、短期KPIと中期KPIを分けて判断します。
来店促進をスタンプカードや来店ポイントで運用する場合、紙からデジタルへ移行すると、参加数・再来率などの効果測定がしやすくなることがあります。ただし、デジタル化は目的ではなく、来店促進 KPIを継続的に改善するための手段のひとつです。
デジタル来店証明(QR・NFC等)を使う場合、来店・取得データの自動記録により、集計工数を減らしつつPDCAを回しやすくなります。要件に合うサービスのひとつが PonTap(ポンタップ) です。スタンプカード型・来店ポイント型の施策で、ブラウザ参加とNFCタグによる来店記録に対応しています。
来店・取得データの記録 — 来店促進 KPIの集計負荷軽減
拠点別・スポット別のデータ — 偏りの把握と改善
アプリ不要の参加設計 — 初回ハードルを抑えた来店促進
まずは資料や事例で導入イメージをご確認ください。KPI設計の途中や手段選定前からでも、要件整理のオンライン相談をご利用いただけます。

デジタル手段での効果測定に興味がある方へ — 上の画像から、PonTapの料金・事例をご確認いただけます。ご不明点は検討段階にかかわらず、無料相談もご利用ください。
ビジネス目的(リピーター増、新規獲得、回遊促進など)から、本記事の指標一覧を参考に2〜3つ選びます。施策設計の全体像は「来店ポイント施策の設計方法」をご覧ください。
再来率・来店数・特典利用率など、多くの来店促進 KPIは手段を問わず使えます。回遊型施策では完走率・スポット別来場が加わるなど、重点は変わります。手段ごとの違いは「手段別」セクションを参照してください。
規模、拠点数、レポート頻度、既存システムとの連携で判断します。小規模・短期なら手作業記録で十分なこともあれば、複数拠点や細かい分析が必要なら自動集計が向きます。本記事の「データの取り方」の表を参考に、現場で続けられる方法を選んでください。
短期キャンペーンなら1〜3ヶ月、通年の来店促進施策なら3〜6ヶ月が目安です。初月だけでROIを判断せず、再来率など中期指標も含めて評価するのがおすすめです。
ベースライン(現状値)に対する改善幅、過去キャンペーン実績、業界の参考値から設定します。初回は保守的な目標から始め、効果測定データを見ながら次回を調整する方法が安全です。
来店促進では、目的に合ったKPIを2〜3つ決め、ベースラインを取ったうえで効果測定を回します。データは手作業記録でも自動集計でもよく、続けられる方法を選ぶことが大切です。ROIは特典・告知・記録・運用のコスト全体と、来店・売上・再来などの効果を比較して判断します。
施策設計は「来店ポイント施策の設計方法」、回遊型施策の企画とKPIは「スタンプラリー企画の作り方」もご確認ください。
来店促進 KPIや効果測定の設計に役立つ資料を無料でお届けします。
来店促進のKPI設計、効果測定の進め方、手段選定など、検討のどの段階からでもオンラインでご相談いただけます。
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